第16章 始まりと終わり
『五条くん以上に信用してる人は、いないんだからね!千春以外で!』
ほおが緩みそうになるのを我慢する。
今でもこんな些細な会話ですら、鮮明に覚えているなんて。
手紙の中から声が聞こえるようだった。
「これからどうすんの?」
うるんだ眼をした硝子が、雑に飲み物を分けてくれた。
「どうもしないけど」
「探さないの?」
「今んとこは」
俺宛の呪いの手紙を、びりびりに破いた。
普通には破れないから、相応の方法をとって…。
俺だってバカじゃない。
今千夏を探そうとすれば、後をつけられて千夏の努力と我慢がパアに。
今は我慢するのが良策だろう。
それに、千夏が言う通り、俺たちはまた会うことができる。
100回別れれば、101回お互いがお互いを探すから。
現に、二度と会わないと誓っても、無駄だったという経験がある。
俺たちはそういう間抜けな生き方しかできない。
そうだよな、千夏――――――
記録:2008年12月25日未明
特級呪術師、八乙女千夏の秘匿死刑決行
現国内特級呪術師、計三名、内一名は―――――