第70章 𝘚𝘦𝘤𝘳𝘦𝘵
領
域
展
開
宵 闇 永 永
(よいやみえいえい)
何も無い、空っぽの闇。
それが、ずっと、ずっと続くの。
からっぽ、は、悲しい。
悲しかったよ、ずっと。
伏魔御廚子(ふくまみづし)を借りたのは、単に腹が立っていたらからだ。
結界を閉じずに生得領域を具現化する力は、私から見ても恨ましい限り。
──ちゃんから学んだ独自の領域展開と、宿儺の領域展開を混ぜて…。
つまり、人間と呪いの力を合わせて────
私にも何が起こるかわからない。
分からないけれど、死ぬ前に全てを試してみたかった。
少しでも、抗いたかった。
色々と後悔はある。
私がもっと𓏸𓏸しておけば、こうはならなかった……なんていう後悔が。
でも、もう遅い。
私は死ぬ。
そして、きっと千春も。
そっと目を閉じた。
寒い。
けれど、懐かしい温かさを背中に感じた。
”千夏”
悟……
”千夏””千夏”
硝子…
傑…
みんなが私の名前を呼んだ。
みんな、わたしのなまえを、よんだ、、
千回の夏を経験する 千夏
まだまだ、夏は続くから────
infinity────♾
to be continued────?