第67章 隠し事
「それに……って」
「お、いたいた」
堂々と歩いてきたのは恵。
悠仁の姿がないことから、悠仁が内側から秤と接触する作戦に切りかえたとみる。
「…なるほど。それって綺羅羅さんが部屋にいる時だけに起こる現象ですか?」
「分からん。秤と綺羅羅が一緒じゃない時がない」
「あ、はい!多分、綺羅羅の術式なので、秤は関係ないかと!」
ここぞとばかりに声を上げてみたが、2人の顔が柔らかくなることは無かった。
「……まぁ、色々置いといて。俺は虎杖が部屋に入った時点で立体駐車場を速攻コッソリ制圧。扉の前を固めて2人が話す時間を稼ぐべきだと思う」
「いやそれは…」
「大丈夫。殺すわけじゃない。寝ててもらうだけだよ」
「防犯カメラありますよ。」
「カメラの位置と死角は把握してる。それに、俺の方は多少見られても問題ない。まともな術師は秤と綺羅羅だけだしな」
「見張りの人数は?」
「入口4。屋上以外の各フロア2だ」
「…いけますね。懸念事項は綺羅羅さんの術式ですね」
「もうそれは仕方ない」
「ワープのように虎杖を出したり仲間を入れたりできる場合、秤の説得は諦めよう」
どうせ話に混ぜて貰えないからと拗ねてみたが、やっぱり恵は分かっている。
「千夏さん」
「…なんですか」
「話聞いてました?」
「聞いてたよ」
「入口の4人、任せますよ」
私のやる気が最も高いのは、誰かに頼まれたとき。
任務は仕事だから別だけど、他にも人がいる中私を頼ってくれるときが1番気持ちがいい。
「うん!殴っちゃっていいんでしょ?」
「カメラにはあまり映らないように。ふたりと面識あるんでしょ」
人数的に私達が入口に配置されることは必然なのかもしれないけれど、それでも嬉しかった。
「分かった!千春、私の事隠してね」
『無理でしょ?その4人下に引きずり落として拘束しなよ』
「…はぁい」