第67章 隠し事
『おい、千夏!!』
「そやって……んー!?」
俺はまずいことを口走ったのだと、自覚してからではもう遅い。
『アイツと別れたのか!?』
「え、あ……そっか。千春いなかったもんね」
『本当に?どうして…』
「色々」
自分が子供であることはいうまでもないし、仮に大人だとしても人の恋の行方を興味本位で追うのはよろしくない。
でも、五条先生と八乙女さんは単体でもその存在が目立つ上に、2人の関係次第で呪術界が揺れるほどである。
…だから、というような理由で……グダグダ言ってるけど
俺も知りたい!!!!
五条先生も「まぁ色々あってねぇ」とかいうし。
本当に色々あったのかもしれないけど、少しくらい噛み砕いて教えてほしい!
別れる直近に喧嘩してたけど、原因はそれではないと断言してたし。
「そんな…普通に別れただけだから大丈夫だよ。もう時間も経ったし…」
嘘。
ずっと辛そうにしてたのに。
「千春?」
『殺す』
「へ?」
『出てきたら、絶対に殺す』
「ちょ……あの、その顔で言われると冗談に聞こえないんですが」
『本気だよ』
「あ…」
そういえば、千春さんが積極的に戦う姿は見たことがない。
まるで呪霊まみれの周りの様子が見えていないように、堂々と道の真ん中を歩いていく。
パッ────
風を切るような音がした次の瞬間、前の風景が上下に割れた。
激しい爆発音に紛れて壊れた水道管が水を上げる。
『…早くついてこい。私を殺す気か』
2人の有効距離は数m。
この距離が保たれた時、この2人に敵無し。
「…絶対怒らせないでおこ」
案外怖いのは千春さんの方なのかもしれない。
また1人地雷ができた。