第67章 隠し事
「…夏さん!」
「はい!」
千春を信じて悪いことにはならないと分かっているけれど、皆が目的のために動いているのに私だけ別の動きをしてもいいものなのだろうか。
「聞いてました?」
「ちょっとだけ。真希は禪院家に行って、憂太は結界の中に行って……合ってるでしょ?」
「はい。それで、千夏さんには恵達と一緒に行ってもらいたい」
どこに?という質問が顔に浮かんでいたのだろう。
「…金次のところです。あんな奴らでも千夏さんの言うことなら聞くだろうし」
「……えぇ!?やだやだやだ!」
「人が足りないんです。何が何でも従わせてください」
秤金次。
絶賛停学中の3年生で、私も数回程度しか会ったことがない。
1回目は悟と一緒に軽く挨拶。
2回目はあっちが……いわゆる不良行為をしていたため大人らしく止めたら、それなりに派手な殴り合いとなった。
大事になる前に悟がやってきて止められたけど、「世界で1番バカ」だとか「貧乳」だとか「色気がない」だとか、ふざけたことほざいてきたから最後に1発殴ってKO。
また会ったら嫌なこと言われるでしょ?
そんなの絶対嫌。
3回目はすれ違った程度だけど、互いに中指立てて終わったし…。
「ね、ねぇ…私もさ、そのゲームとやらに参加して先に天使さん探しておくよ」
「絶対にやめてください」
「千春いるしさ…」
「ダメです。話ややこしくすんな」
千春が何も言わないってことは、これ以上は言わない方がいいのだろう。
「行きますよ」
「あ、ちょっと~…」
首元掴まれて引きずられているのに、誰も心配してくれない。
千春も見て見ぬふりだ。
「千夏ーちゃんと働けよー」
「分かってるって!……め、恵!1人で歩けるから…!」