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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第12章 ミニゲーム


●天 side● 〜体育館〜


火神のプレイで一年は確実に点を稼いでいくが、“上級者のバスケット”から程遠い試合を続けた結果、ついに作戦に限界が見え始めた。


「そろそろ大人しくしてもらおうか?」

「スイッチ入ったか」


それまで上手いことハマっていたが、一年の“ワンパターンプレイ”という弱点をついに二年が捕えた。遅かれ早かれそうなることは明白だったが、即座に二年が仕掛け始める。
それをきっかけに、細糸でかろうじて繋がっていた一年の連携は崩れ始めた。


火神一人に対し、二年がトリプルでマークし始めたのだ。いつでも出来る作戦ではないが、今の戦況では逆にそれがミソだ。火神以外に、脅威になる選手がいないからこそ。


「そこまでして…火神を…?」

「しかも…ボールを持ってなくても2人?!」

「ボールに触れさせもしない気だ!」


こうなった以上、一年もいままでの作戦を続けることは出来ない。ここからどう巻き返す。完全に油断していたところに、二年からの逆襲だ。


もちろん、こうなることを予想できなかったのだとしたらあまりにも浅はかだ。
だがやはり、一年にはもうなす術がない。追加点を得る道は絶たれ、ただ無意味に抗うだけだ。


ニ年が着々と点を稼いでいくのと並行して、一年の覇気はどんどん薄れていった。


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