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宵闇の明けと想ふは君だけと〈I•H編〉

第10章 チャイムの鳴る前に


●リコ side● 〜図書室前〜


小金井も、黙るように促されたのが心外だったようで、「なんなんだよシーって!」と文句を垂れた。


「なになに?!
 つまりオレには教えてくんないってこと?!」

「コガ…!頼むから今は静かにしてくれ…!」

「なんかオレらに見つかったら
 ヤバいことでもあんのかよ?!」


今日は小金井の勘がやけに鋭い。
リコと伊月は、この場で小金井が変な行動をしないことを静かに祈った。
祈ることしかできないのは、焦りが秒を重ねる毎に積もり、この場をどう乗り切るかの判断力が鈍っているためだ。


しかし、相手は小金井だ。
しっかりと期待を裏切ってくる。


「あっち側になんかあるの〜??」


そう言いながら、廊下の先に駆け出そうとした。
藤堂 天が、刻一刻と近づいてきている方向へ…


伊月の「やめろ…!」という声と共に、力づくで引き戻されてしまっていたが。


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