第1章 本編
それから暫くして、ガチャリと部屋のドアが開く
「よう幻太郎、生きてるか?」
「……ださい」
「え?」
「……ふざけないで下さいと言っています」
「いや、その……悪かった」
「今日という今日は、小生も許しません!大体あなたはいつもッ!?」
紡いだ言葉を遮るように、帝統の唇が重なる
「んっ……ふっ……ぁっ……」
言いたいことが沢山あるのに、言葉が、音が、全て貪られてしまう
「はぁ……はぁ……な、にを……考え……て……っ。こ、こんなの……許しませんよ!」
「幻太郎……悪かった。俺が悪かった……だから」
突然、帝統は幻太郎の体を強く抱き締める
「は、放して下さい!」
「いやだ」
「放しなさい!今更何だっていうんですか!小生がどれだけ……どれだけ……」
「ごめん……不安だったよな……もうしない、約束する」
幻太郎の目から零れそうな涙に、口を這わせ、もう一度きつく抱き締める帝統
「……ぐずっ……約束、ですよ?……今度は絶対に許しませんから」
「あぁ、約束する」
潤んだ瞳の幻太郎を力強い目で見つめた後、帝統はゆっくりと唇を重ねる
腰に回した手を、撫でるように嬲る
「ぷはっ!ちょ、ちょっと!帝統!待ってください!ここまだお店ですよね!?」
「そうだが?」
「いやいやいや、誰か入ってきたらどうするんですか!」
「勝者権限で朝まで貸し切った」
「何言って……ンッ!?」
「もう黙れよ」
貪るようなキスが降り、全身を嬲る手にもはやなすすべもなく陥落する幻太郎
全てに身を委ね、ふり注ぐ優しくも激しい愛撫に身悶えつつ熱いそれを受け入れる
目の端に涙を溜めながら、頭では解っていても抗うことが出来ない
幻太郎は、次第に高揚する想いに、深く深く溺れた……