第1章 本編
ある日の午後
「なぁ幻太郎」
「おや、一体なんです?お金なら貸しませんよ」
「いやちげーし。ちょっと一緒に飯でも行かねぇかと思って」
「おや、あなたからお誘いとは……フフッ。珍しいこともあるもんですね」
少々疑うように帝統を下から上まで見る
「いや、まあそうなんだけどよ……この前の礼っつーか?」
「小生は別に構いませんが?帝統の奢りならば是非に」
「おう、任せとけ!今回はちょーっと大金が入ったからな、ヘヘッ」
自信満々の顔をする帝統
「……では仕方ありませんね、ご一緒しましょう」
「んじゃさっそく、行こうぜ!」
雰囲気のあるお店
「帝統……ここ本当に大丈夫なお店なんですか?少々、客層に"難"があるように思えるのですが」
「お、おう、大丈夫だ。いつも来ているが、普段と何も変わらねぇよ。それより幻太郎、どれにする?俺のおすすめはコレ」
メニューの一つを指さす帝統
「子羊のロティですか。ほう、あなたにしてはいいチョイスですね」
「そうだろ?店はこうだが、味はどれも一流だぜ」
「ではこちらにいたしましょうか」
注文した料理が運ばれてくる
「ささっ、幻太郎。どーんと行ってくれ」
「では、早速いただきましょう……あむっ」
刹那、帝統がにやりと笑う
「どうだ?その料理旨いだろ?」
「えぇ、あなたにしてはとてもいい味覚をお持ちのようですね」
「俺にしてはって……ちょっとひどくねぇか?まぁ、気に入ってくれたなら本望だぜ」
「嫌味ではなく本心ですよ。さぁ、あなたも早く食べたらどうなんです?いくら高いお店だからと言って、連れてきたあな、たが……食、べな……い……わ……け……」
テーブルに崩れ落ちる幻太郎
「……幻、太郎?」
「……すぅ……すぅ……」
「よし、ぐっすり寝てるみてーだな……オーナー!」
帝統が奥にいるオーナーを呼ぶと、別室へ幻太郎が運ばれていく
「……悪く思うなよ幻太郎」