恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥
〜共通ルート〜
「もうすぐハロウィンだなー、因みに十月三十一日って何の日か知ってっか?」
「…今日のひょっとこ焼きも絶品だ」
「む? ハロウィン以外に何かあるのか??」
ここはキメツ学園より徒歩圏内にある居酒屋「ひょっとこ」
体育教師の義勇と歴史教師の杏寿郎は、美術教師の天元に誘われて飲みに来ていた。
カウンター席で左から天元、杏寿郎、義勇の順に座っている。
「冨岡、無視すんじゃねーよ! 俺の話聞いてたか? それに煉獄も何だよー。把握してねえのか??」
名物のひょっとこ焼き(もんじゃ焼き)を食べるのに夢中で、天元の発言を認識できなかった義勇は黙々と食事をし、さつまいもの甘露煮を食べている杏寿郎は耳を傾けているものの、あまりピンと来ていないようだ。
「すまん、宇髄! 教えて貰えないだろうか」
「10……31……語呂合わせで、てんさいの日か?」
「おっ、冨岡! 珍しく良い線いってるぜ! そうだ! この天才美術教師であり、祭りの神である俺様が生まれた日だ!!」
芋焼酎を飲みながら申し訳なさそうに聞く杏寿郎に、レモンサワーを無表情で飲む義勇。
対照的な二人だが、体育教師の発言に対して天元は大層機嫌を良くした。
尚、義勇は「天災」の意味で発言したのだが、天元が都合よく捉えた為に会話はスムーズに進んでいく。
「こないだテレビで見たんだけどさー。珍しい施設とか変わった人間とか紹介する番組あんじゃん?」
「ああ、毎週日曜日の夜に放送されているあれか!!」
「そ! それだよ……何でも東北地方に……」
ピンと来た杏寿郎に、俄然乗り気でその情報を伝えていく天元。
二人のそんな会話を右横で静かに聞きながら、変わらずレモンサワーを飲む義勇は一人思案する。
『あいつもドレスハウスがどうとか言っていたな』
——— 東北のドレスハウス。これが今回の話の舞台である。
★★★★★★
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