第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎

「七瀬、動くよ」

「あっ、うん……！！」


押して引いて、また押して引く。たったこれだけの行為だけど、真下にいる恋人の反応はとても良い。
紅潮した頬と、小さな汗の粒が浮かんでいる体躯。それからふるんと揺れる二つの乳房。


『甘そう、食べ、たっい……！』

「あ、んっ……ダメだ、よ、」

「七瀬、ごめんね……ふう……」


一度結合部から男根を抜き、彼女をぎゅうと抱き起こす。
「どうしたの？」と瞳を潤ませて聞いてくる恋人に口付けを一度贈った。

「うん、君のここを触りたいなって」

「んうっ……」

腰をグッと引き寄せ、山なりになっている胸の頂きを口にいれると、俺の頭が華奢な腕で包み込まれた。

ちゅぷ、ちゅぷと吸って、舌で舐め上げるとビクッと体を揺らす恋人。


「凄く、はあっ甘い……」

「あ、んん…気持ちいっ」

「今度は……こっちだね」


口での愛撫は一度に片側しか出来ない。

それがなかなかもどかしい。乳輪から唇を離す前にちろりとそこを舐め上げる。
はあ、と今触れた先端と同じように甘い吐息をこぼす七瀬。


「ねえ、七瀬、俺のここに来て」

「えっ……」


指差したのはついさっきまで彼女の中に入っていた己の昂りだ。


「見てよ、君を求めている」


あんな短時間で満足できるわけないしね。
パチパチ、と瞬きの数が多くなる七瀬はふう、と息をはく。あ、来てくれるのかな。

自分と彼女の間は拳一つ分の距離しか開いていない。
俺から近づく事は簡単だけど、今は七瀬から来て欲しい。


「来たよ」

「ありがとう、じゃあ…ここに乗って」