第46章 狐火の契約 / 🔥✳︎✳︎

それはつまり……私と………


「七瀬を毎晩…いや、四六時中君を抱きたいぐらいだ。可能ならこの腕の中にずっと閉じ込めておければどんなに良いか……」

「し、四六時中？って、えっ？」

「時間の事なら気にしなくて良い。俺と過ごした時の数だけ、遡って戻れば何の問題もないからな。そうだ、そうしよう」

「待って、杏寿ろ、さ……」
「待たない」


言葉は彼の口付けに飲み込まれた。
角度を何度も変え、吸い付かれ、歯列をなぞられる。両手の自由は奪われている為、されるがままだ。

互いの唇から透明な液が溢れ出ると、私が垂らした雫は彼が舐めて絡め取っていく。

ようやく唇を離されたが、それはほんの一瞬の事。
両頬を包まれ、柔らかい口付けがまた私の唇に降って来る。ちう……と吸い上げた後、手首の縛りがふっと消える。

彼の頬を両手で包み込んだ。すると目を閉じて口元に笑みを浮かべ、とても嬉しそうにする姿に顔が綻んだ。
かわいいな、と思った。

その気持ちが伝わったのだろうか。
「男にそのような感情は不要だぞ」と言われ、私の心臓が跳ねた。


「だって、凄くきゅんとしたんだもん」

「君にそう言われるのは悪くないが…」

口付けがまたたくさん降って来る。音を響かせ、唇を吸われる。


「かわいい七瀬、妻の君を永遠に愛でるとここに誓おう。今宵はその始まりの夜だ。これからたくさん愛らしい姿を見せて、もっともっと俺を虜にさせてくれ」


彼からの優しい雨が顔だけではなく、体にも降り始めた。
その合間に着ていた浴衣と下着を取り払われ、気がつけば何も身に纏っていない私がいた。


目の前には同じように裸の彼。部屋に入ってくる月明かりを受け、腰まで伸びた金髪がきらきらと輝いている。


「何よりも待ち望んだ瞬間だ…潤いは問題ないな」
「あ、やん」