恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第26章 ファーストオレンジアロマ / 🎴✳︎✳︎
「え……うん……」
スウっと一度深呼吸。
「……いいよ」
「大好き、七瀬…」
この日ようやく今世で初めて繋がった私達は、その後朝までたっぷりと濃密な一夜を過ごした。
半透明の膜を全て使い切るぐらいに——
★
次の日の朝……午前11時30分。
つい30分前に起きて、ブランチを2人で用意した。
フレンチトースト、昨日の残りのオニオンスープ、カットしたりんご、バナナ、オレンジ、そしてプレーンヨーグルト。
「いただきます」
まだお互い寝巻き姿のまま、食事を始める。
「七瀬…マーマレードってストックあるか?」
ああ、確か昨日のあれで無くなったんだよね…。
「ごめん、買いに行かないと無いかも。その代わり……」
私はキッチンにある吊り戸棚を確認しに行く。
「炭治郎、これならあった」
「ありがとな」
そのジャムを渡すと、瓶の蓋を開け、スプーンで掬いながらプレーンヨーグルトに入れた彼。
「うん、美味い」
なあ七瀬…と話しかける炭治郎に私は返事をする。
「今度はこれで、七瀬に味付けしても良いか?」
「え………」
顔の表面温度が一気に上がる。
彼がヨーグルトに入れていたジャムは………
——— 大人色の”ブルーベリージャム”———
グッと男っぽくなった彼にまた翻弄させられそうな予感がした。
end.