恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第4章 君に半年先の予約を / 🔥
「今日の稽古はこれをして……あれをして……」
私はこの日の稽古のまとめを記録帳に記していた。
集中していたせいで、自分を呼ぶ声にもなかなか気づけず…。
「七瀬」
私を呼ぶ声が耳元から聞こえた、と思うと — 後ろからふわっと抱きしめられた。
「あ、師範お疲れ様です!今日もありがとうございました」
「七瀬、稽古はもう終わったぞ?」
そう言われた次の瞬間、ちゅっ……と彼の唇が私の唇に触れた。
「はい……杏寿郎さん……」
記録帳を書く手を止めて、大好きな人に向き合う。
「時に七瀬、君は18になるまで後半年だったな?」
「え、ええ、それが何か?……」
「長いな……」
そう呟いたかと思うと、杏寿郎さんは私の左手薬指に口付けを落とした。
………!!
「どうしたんですか?急に」
「まじないだ、早く半年経つように。それと……俺の妻になって欲しいと言う予約だ」
……やっぱりこの人には敵わないな。
「……杏寿郎さん、大好きです」
私は彼をギュッと抱きしめた。
「俺もだ、七瀬」
end