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恋はどこからやって来る?(短編・中編)

第72章 お題夢「冬」+ α / コミュニティ内で募集



新年のお祝いムードも過ぎ、寒さが厳しく体にしみるそんな——
真冬のある一日の朝。

「君は十一月の誕生花が何か知っているか?」

「煉獄、何故十一月と限定的なんだ」

キメツ学園の職員室で、歴史教師の杏寿郎が化学教師の小芭内にとある質問をしている。

声をかけられた彼の首元で白蛇の鏑丸は興味が強いのか、杏寿郎が立っている方向に小さな体を向けた。

杏寿郎はにっこりと鏑丸に笑顔を見せつつ、小芭内の質問に答える。最近付き合い始めた恋人の誕生月との事らしい。

「なるほど、ホワイトデーの贈り物にと考えているのか。 承知した。俺は知らんが、甘露寺なら知っているやもしれん」

わかり次第報告をする。

小芭内の返答を受け、気遣いに感謝した杏寿郎。教師二人の会話は一旦終わり、各々が一時間目の授業に向かった。




「ガーベラで、十一月の代表花との事だ」

「ありがとう! してどんな花なのだ?」

その日の昼休み、蜜璃から返答が届いたと小芭内が杏寿郎に報告すると、座っていた椅子から勢いよく立ち上がる。

それから彼は小芭内に自分の体を寄せて距離を詰めた。その距離は約三十センチ。


「煉獄…すまんが少し離れて貰えるか。鏑丸が固まっている」

「む…これはすまない!」

小芭内に近づけすぎていた顔をスッと離し、適切な距離を調整した杏寿郎。ふうと首をもたげた鏑丸は安心したのだろう。
小芭内の首を一度回ってみせた。

「花屋に行けば必ず置いてある品種だ。故に見つけやすい。今ガーベラの写真を送信したぞ」

ブルブルと胸ポケットの中にある杏寿郎のスマホが振動する。彼がメッセージアプリを開くと、ガーベラの画像が画面に表示された。

「確かにこれなら俺も見覚えがある!」

「甘露寺にも礼を伝えておいてくれ」

「無論だ!」

うむ、と一度頷いた杏寿郎は早速蜜璃に連絡をし、自分のデスクへと戻って行く。

「(彼女に花を渡すのは初めてだな。喜んでくれると良いが)」

ガーベラの画像をもう一度見た杏寿郎は、画面を閉じた後にシャツの胸ポケットに入れた。

バレンタインデーの数日前、恋人からチョコを一緒に作りたいと言う申し出と共に、自分の誕生花を貰う。

杏寿郎はもちろんまだ知らない。



〜終わり〜


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