第2章 幸せのカタチ 不死川実弥
わぁ、すごく綺麗に編まれてる。
私が作るのよりずっと上手に思えた。
折角だからちょっと頭に乗せて見た。
「えへへ、どうですか?」
作ってもらった花冠を頭に乗せて不死川さんの方へ振り向くと、彼は少し驚き、それから柔らかく微笑んだ。
「似合ってる」
優しい笑顔でそう言われ、顔がぽっと赤くなるのを感じた。
すごくドキドキする、どうしよう…
まともに顔が見られないと俯いてしまった私の頬に、不死川さんの手がそっと触れた。
「顔上げろォ」
言われるがまま顔を上げると、不死川さんと私の視線が至近距離でぶつかる。
そのまま不死川さんは更に顔を近づけてきて…
「可愛い」
……え?
私と不死川さんの唇が重なった。
一瞬何をされてるか分からなかった。
でも、頬に添えられた手も背中にまわされた手も温かくて、私を優しく包み込んでくれた。
唇と唇を合わせるだけの口付け。
それは角度を変えながら何度も繰り返され、私は不死川さんの口付けをひたすら受け入れた。
不死川さんに求められるのが嬉しかった。
私、不死川さんが好き…
心の中でそう呟き、不死川さんもそうだったらいいなと思いながら、甘くて痺れてしまいそうな長い長い口付けに酔いしれた。
これが、最初で最後の口付けだとも知らずに……