第6章 海軍と人さらい
=サァア…=
静かに聞こえる海の小さな波の音…
そこに浮かぶ一つの小船
(…指一本動かせねぇな…)
見えない"何か"に縛られて動けないゾロと金髪の男。 そして半分だけのピエロのような仮面をした青髪の青年
「…何処へ連れて行くつもりだ」
「あの島に決まってるじゃありませんか?」
くすりっと金髪の男は笑う
「…黙っていて下さい。 その口も開けなくしますよ」
顔の半分だけ見える青髪の青年は無表情のまま
「まぁまぁ落ち着いてトペトピ」
金髪の男は笑いながらトペトピという青髪の青年を宥める
「俺達は赤月の闇を返して欲しいだけ…、君はそのいわば人質さ」
「人質か…。 …力ずくで取り返せばいいじゃねぇか、弱いわけじゃねぇんだろ?」
「フフッ、俺達は争いは嫌いだよ? それにさらったのは君達麦わら海賊、ちゃんと責任を持って返してほしいんだ」
ニヤニヤ笑う金髪の男にゾロは不愉快を覚えた
(わざわざ自分から手放せって事か…)
「…メーハクがこっちに向かってる」
「船はいっぱいだし、君に触れたら彼の首が落ちるからメーハクには少し我慢してもらおう」
「…了解」