第3章 第三章秘密のプロデュース
思いのほか乱は才能があった。
ダンス、歌に関しては他の粟田口とは比べ物にならない天性の素質があった。
「これっていいのかしらね」
「まぁな」
刀剣男士なのに、ここまで女装が似合う人はまずいない。
「現世に連れて行って見るか?」
「んー、まぁボランティアならいいかな」
審神者は時間を守るタイムパトロールであるけど、国を守る役目も担っている。
歴史に干渉しない程度ならば国に貢献することは万々歳らしいし、何より私の実家が日本の伝統芸能を守る事を第一としながらも慈善活動もしている。
一応許可を取ると…
「主様、政府より許可が出ました。歴史に干渉しない程度ならば問題ないと」
「そう?じゃあ…」
私の知り合いのいる施設に掛け合って見よう。
「えー!人前で歌うの?」
「そうそう、試しに人前で歌って見ないかしら?孤児院の施設で歌うの」
「やるやる!絶対やる!」
「僕達もですか?」
他の粟田口一派も声をかけると乗り気だった。
内向的な五虎退もやる気だったので、いいかもしれない。
「主…すてーじに出られるのか」
「まぁ・・」
そこで一番食いついて来たのが篭手切だった。
やっぱり一番出たかったんだ。
「粟田口とは別のユニットだけど…大丈夫?」
「期待に応えます!」
こうして私達は現世に向かい養護施設にて歌を披露することになるのだった。