第26章 慟哭
「くそ、やめろよ!」
「やめない」
オレのモノから口を離し、ズボンと下着を脱いだ。
そして指を加えて唾液で濡らしたあと、自身の後ろに指を挿れいじりはじめた。
「あ、あ、千冬…あぁ、きもちぃ…千冬…好きっ…」
「っ!?な、なにしてんすか…!」
「んっ…はぁ……」
そのまま自身の後ろを弄りながら、再度オレの中心に舌を這わす。
オレは目を閉じた。さんの艶かしい姿を見てしまったらすぐにイってしまいそうだ。
このままでは完全に流される、抗いたいが、生憎手は動かせないし足は間にさんがいて動かせない。
「くっ、ぁ…」
「んぅ、ハァッ、千冬…」
「や、めろよ…こんなやり方で仲直りできると思ってんのかよ、っ、…間違ってるだろ…」
「……嫌?」
さんが不安げな声で聞いてきた。
嫌なわけない。この人はオレの最愛の人だ。愛してる。
だけど今日はハッキリさせたい。
さんは九条さんが好きなのか?
九条さんと付き合えないから、妥協でオレに手を出してるのか?
それとも、さんはオレの事が好きなのか?
「………嫌です、もうやめてください」
「………」
ギンギンに勃たせておいてまったく説得力がないのは重々承知だ。
しかし、ハッキリとした拒絶にさんも効いたようで、声を詰まらせ鼻をすする音が聞こえた。
見ると、手で一生懸命涙を拭うさんがいた。
ああ、また泣かせてしまった。胸が痛む。
こんなに泣かせるのは今日限りにしよう、悲しそうに眉をひそめて涙をハラハラと流す姿はあまりにも可哀想で見るに堪えない。
あれだけハッキリ拒絶したから、とりあえず今日はここまでで終わるだろう。
正直やり場のない熱をどう処理すればいいか分からないが、帰るまで我慢して、家に着いたらいつも通りさんで抜けばいい。