第34章 因果※閲覧注意
「ッ、まだ炎が飛び越えられる高さで良かった。大丈夫か、」
「………馬鹿、バカバカバカ!!凛の馬鹿!!なんで来た!!?」
「来ないなんて選択肢、最初からないし。とりあえず縄解こう」
俺はこいつに、お前を守るために強くなると約束したのに、俺ばっかりいつも助けられてる。
情けないや。
縄が解けた頃には炎は凛の背丈すら超え、高く激しく燃え上がり、向こう側が見えないほど覆われていた。まるで炎の牢獄の中にいるみたいだ。
おまけに、一酸化炭素にまみれて息が苦しい。意識を保つので精一杯だ。
「……凛、俺を、運んで炎から出るのは、無理だ。お前だけなら、なんとか…」
「、俺はお前から離れない。何があっても」
「凛…!俺いたらお前まで……!はやく行け!」
「お前がいない世界にいるくらいなら、一緒に死んだ方がいい」
凛の瞳は、本気だ。
薄っぺらい愛の比喩でもなんでもない、今のこいつの本心そのものだ。
ああ、熱い。
身も心も焦がされそうだ。
「……凛、俺と一緒に、逝ってくれる?」
「逝くよ、何処までも。地獄の底でもどんな場所だっていい。二人でいよう」
凛が俺を抱きしめる。
ああ、熱い、苦しい。なのにどうして、こんなに満たされているんだろう。
「苦し、い、けど……怖く、ない………凛、愛して、る」
「、俺も……」
地獄の底で、ずっと一緒だ
これでやっとお前と
二人きり
最愛の人の腕の中、
永遠の眠りに備えて、ゆっくりと意識を手放した
「………………はは、らしくないな。俺の足、震えてる。
ごめん。最後の嘘を許してね、。
ずっと、心の底から愛してた。絶対に、幸せになれよ。」