第2章 顔見せて
私の彼はいつも変な兜で顔を隠してる。外さないの?って聞いても上手いことはぐらかしてしまう。
だから今日こそは思う存分素顔を見せてもらおうと彼が愛用している人形のプップを人質?に取って聞いてみた。
「ねぇねぇ、セカンドの魔法って目を見てしまったら必ず発動するの?」
「ん?いや、そうでもねぇなァー。ある程度はコントロールできるぜ。どうした?」
「貴方の目を見てみたいの。」
「なんだぁ?」
「だって私、彼女なのに貴方の素顔を見た回数3回だよ?」
「そんなこといちいち数えてんのかよ。」
「大事なことよ!ねぇ、顔見せて?」
お互いの身長差はかなりあることなんてわかっているから、わざとらしく上目遣いで首までかしげてみる。
「んー。仕方ねぇ。」
作戦成功、とか思ってたら体が浮きあがった。
「え?」
「ベッドの中でならいつでも見せてやる。」
嵌められた。どうやら彼の方が一枚上手だったらしい。
毎日お前の顔直接見てたら抑えらんねぇだろ、なんて彼が寝ている私の横で呟いたことを私は知らない。