第1章 野武士

FLOSの替え歌（315視点）

Daphne(ダフニー)、Ficus(フィークス)、Iris(アイリス)、
Maackia(マーキア)、Lythrum(リスラム)、Myrica(ミリカ)、
Sabia(サビア)、Flos(フロース)

拝啓
俺の願いよ 未来よ 絶え間無い後悔よ
体感八度五分の売れる夢は軈て散ってしまった

Daphne(ダフニー)、Ficus(フィークス)、Iris(アイリス)、
Maackia(マーキア)、Lythrum(リスラム)、Myrica(ミリカ)、
Sabia(サビア)
Thymus(サイマス)、Ribes(リベス)、Abelia(アベリア)、
Sedum(セダム)、Felicia(フェリシア)、
Ochna(オクナ)、Lychnis(リクニス)

再啓
お前の想いは 憂いは 回る感情論は
半径八十五分の世界に囚われた儘

本音を挿し罅割れた今日を溢れた一切に
薪を焼べて風に乗せて錆びた空をオレンジに彩る

燻んだ日々を丁寧に
飾ったギボウシの花は直ぐに枯れてく
愚鈍な俺は夢から覚めて
縋った意味も無いな

吉村が俺にくれた声も色も揺るぎない愛情も
二人きりの空に光った流れ星も疾うに散ってしまった

難儀の末のオレンジの疲弊に夏は色褪せて
熱を帯びて鈍く膿んで擦れた秋の街に零れる

荒んだ日々を丁寧に
辿った先にアカネの花が咲く筈
利口なお前は夢を見た儘
悟った振りで純水を注いだ

木漏れ日の中に柔らかく咲いたアカネの花は
雲の上で 違う流れ星で 夢の先で揺れてる