第24章 新任務
だが、そんな2人を無視してエドゥアルが言葉を続ける
エドゥアル
「ブラックティアは存在する。……レティシア…君の中に」
レティシア
「は…?」
ルシアン
「レティシアの中にって…何言ってるんだ…?」
困惑に瞳を揺らしながら2人は息と共に声を零す
エドゥアル
「元々ブラックティアの存在は知っていた。でも、レティシアの中にある事を知ったのは偶然だし…何故、お前に宿ったのかも未だ分からない」
レティシア
「ブラックティアなんて手に入れて…何するつもりだ」
エドゥアル
「万物を操る、なんて凄く魅力的だろう?争いが起こったらブラックティアで操って無かった事に出来る。大型魔獣だって操れる」
ルシアン
「そんな事…!」
エドゥアル
「平和だろう」
レティシア
「んなもの、平和でもなんでも…!」
エドゥアル
「それに…魔法が使えるだけで虐げられるなんて、どうかしている。それをより思ったのがレティシアだ」
レティシア
「私…?」
エドゥアル
「あんなに小さな身体に沢山の痣、感情の無い顔、諦めきった濁った瞳……何とかしたい、助けたい…そう思った。でも、本当の意味で救ったのはユリスだった。それなら僕は…君を虐げる者のいない世界を作ろうと思った…!」
順を追っているようで、どこか脱線している様な…そんな不思議な感覚に陥る。ただ…彼の想いが途中で歪んだ事は分かった
エドゥアル
「レティシアもユリスを救った。…そのユリスのお陰と…恐らく元々の性格からレティシアは強く、自分よりも他人を優先する姿は本当に美しかった。でも思ったんだ…お前が他人を優先する度に、お前はいつか消えるんじゃないかって。…あぁ、虐げる者がいないだけじゃ駄目だ…レティシアが守ろうとする者がいるのもいけないと思った」
歪んだ瞳を見開いて笑いながら片手で顔を覆うエドゥアルを2人は言葉も無く見詰める。
メディと本心を戦闘中で語った後…ルシアンに言われた言葉と同じなのに…同じじゃない違和感にレティシアは呼吸が乱れそうになる
思考が理解できなかった。何故その思考になるのか…理解できない。