第7章 教えてもらう権利
レティシア
「良いか、ノア」
ノア
「もっちろん!ぜってぇオレが勝つから」
レティシア
「ふん。今日も負かしてやる」
他基地では絶対にありえない指揮官と部下の戯れ。
それを見てリアムは不思議に思って近くに居たルシアンに問う
リアム
「何すか、あれ」
ルシアン
「昼食をどっちが買いに行くか決めるじゃんけん勝負」
彼の問いにルシアンは液晶から目を離さずに答える。
当然、返ってきたそれが理解出来ないリアムは首を捻ってしまい、コーヒーを飲んでいたオリヴィアが白衣のポケットに片手を突っ込みながら2人に近付く
オリヴィア
「週に1回ヒガンバナの入口にキッチンカーが来るの。そこのランチが特別室の皆、好きでね。いつからか、あーして2人でどっちが買いに行くのか競うようになったのよ」
リアム
「そういうのって全員でやんないんすか?」
オリヴィア
「やらないわね。気付いたら2人が始めてたのよ」
リアム
「へぇ…え、けど先週は来てなかったっすよね?俺知らないっすもん」
オリヴィア
「その日は確か…」
ルシアン
「風邪ひいてたんだ。それで来なかったぞ」
オリヴィアが何故来なかったのかを考えていると、報告書を完成させたルシアンが答えて2人を見る
オリヴィア
「あぁ、そうだったわ」
レティシア
「よーっし!」
ノア
「かぁー!また負けた!」
3人で会話をしている所に先程よりも大きな声を上げる2人に中断されて、盛り上がる方を見ると両手を上げたレティシアと頭を抱えたノアがいた
ノアが全員分のメニューを聞き終えると特別室を去っていく
レティシア
「よし、じゃあ私も」
勝ったはずのレティシアまで特別室を出て行ってしまった。
こうして定期的に特別室を出て行くレティシアは、既に他のメンバーからしたら不思議ではないが入って来てまだそこまで経っていないリアムはここ最近の謎であった