第23章 食い違いの悲劇
ルシアン
「アーロさんは迷惑だなんて思う人じゃないのは俺等でも分かるぞ」
当時の事を知らないリアムは助けを求めたそれにすぐ気が付いてくれる人が迷惑に思うわけが無いと思った。そして、特別室で聞いているソフィアもこの話を聞いた時にリアムと同じ事を思ったのだ
ルシアン
「ヒガンバナに彼女は息を切らして来た」
アーロ
「あ、あの!」
レティシア
「はい?」
アーロ
「娘が苦しんでるかもしれないんです…っ…!」
レティシア
「詳しくお話聞かせていただけますか?」
レティシアとルシアンが応接室にアーロを招くと、彼女は震える手でスマート端末を操作し…彼等にそれを見せた
ルシアン
「助けて∵…?」
アーロ
「最初は悪戯かと思ったんです…でも、前に施設にいた子がこれを使う癖があったんです」
ルシアン
「その子の名前は?」
アーロ
「オリヴィアと言います。…お願いです、あの子を助けてください…!」
レティシア
「分かりました。早速、調査をして見つけ次第オリヴィアさんを保護します」
アーロ
「ありがとう…っ…ありがとう、ございます…!」
ルシアン
「迷惑だと思っていたら、そもそもヒガンバナに来ない。あんなに泣いたりしない」
自分達がやってきた事が音を立てて崩れていくような感覚にメル達は襲われる。
ぎりっと歯を食いしばっていたメルは声を張り上げる
メル
「アタシだって幸せになりたかった!!温かいご飯食べて!温かいお風呂に入って…施設の時みたいな暖かい場所を、今度は新しい家族と出来ると思ってた!でも…でも、違った!痛くて冷てぇだけだった!!アタシは…施設にいた頃が幸せだった!!あの頃に…戻りたい…っ…」
彼女の本心からの叫びに再び全員が苦しげに表情を歪める
メル
「でも、やっぱり!自分だけ助けられたオリヴィア姉さんが憎い!!」
もうオリヴィアへの恨みや憎しみは過去の話を聞いて無くなっただろうと、勝手に決め付けて気を抜いていた特別室メンバーはオリヴィアに向かってナイフを突き立てようとするメルに驚く