第5章 助けたい気持ち
ルシアン
「他の奴を呼んだから、俺達はここまでだ。赤ん坊を戻しに行くぞ」
レティシア
「……嗚呼」
10人も居た赤子を少し大きめの底が深いベッドに5人ずつで寝かし、返しに行く途中でリアムが控え目に声を出す
リアム
「…何で、俺がしようとしてる事…分かったんだ?」
レティシア
「誰が見たって、リアムのあの時の顔は助けに行く顔だろ」
リアム
「けど、特別室は魔獣を取り締まる所っつってたじゃん」
レティシア
「言ったろ、主にって。中心は勿論、魔獣だが…困ってる人が居たら助ける」
じゃあ何であんな言い方をしたのかリアムは気になったものの、きっと自分がちゃんと理解していなかったからだと納得させて言葉は返さなかった。
彼等が想像していたような冷たい人間では無かった事にリアムは安堵した
リアム
「でも何で、あの場所が分かったんだ?」
レティシア
「あの後ルシアンに色々探ってもらうついでに、あんたを追わせた」
リアム
「全然、気付かなかった…」
ルシアン
「だろうな。目の前の事に集中してたもんな」
リアム
「すみません…」
レティシア
「まぁ良いさ。いつでも人の為に動けるのは悪い事ではない」
真っ直ぐを見ながら告げられるレティシアの言葉にリアムは、ただ自分の感情に任せて動いてしまった事に反省をした。
どんな所だとしても自分は組織の中にいるのだから、自分の上にいる人間の言葉をちゃんと聞かなくてどうする、と心を改めるのだった