第15章 人か獣か
レティシア
「探るにしたってまずどこから攻めりゃ良いのか」
腕を組みながらレティシアが呟く。
敵ではなく何故、内部を疑うのか…それは彼が行方不明になってもちゃんと捜索している様子が無いからだ。
ルシアン
「ヒガンバナ基地の奴を取り敢えず探ってみんのはどうだ?」
リアム
「でも、正直に話してくれますかね。と言うより知ってんすかね」
レティシア
「まぁ、その辺は話したくなる様なもんを用意するしかねぇよな」
片方の口角を上げてレティシアが笑む姿は悪い事を考えている証拠だ。
リアムが頬を引き攣らせながら彼女を見るが、本人は気にしていない
ノア
「ん?…そういえば」
黙って皆の話を聞きつつも良い案が無いか探していたノアが、ふと何かを思い出し声を上げる。
ノアの言葉に全員が彼を見て、何を思い出したのか促す様な視線を送る
ノア
「今思い出したんだけど…オレ前に聞いたんだ」
レティシア
「何をだ?」
ノア
「…行方不明になったあいつを捜そうって。けど、1人が…止められてるだろって言い返してたんだ」
レティシア
「成程…ヒガンバナの奴等は捜さねぇんじゃなく、捜せねぇのか」
ノア
「嗚呼、多分」
レティシア
「なら…ヒガンバナより上のルビーが怪しいか」
ルシアン
「だな。…ルビーに止められてたら探しようがない」
ノアが思い出した事により、詰まっていたどこを探るかを定める事が出来た。
レティシアが何かを考えるように視線を揺らしていたが、自分の中で固まったのか全員へ視線を向ける
レティシア
「ルビーの奴等を探ってみよう。…そうだな…出来るだけ指揮官長に近い奴」
ルシアン
「指揮官長?」
レティシア
「嗚呼」
その辺をつつけば何か分かるかもしれない、そう付け足したレティシアの言葉に全員が強く頷く。
まるでそれは…指揮官長のシモンが怪しいと言っている様にも聞こえたが、誰もそれを口にはしなかった