第12章 "印"
リアム
「お、落ち着け…!」
自殺しようとしてる人に声を掛けた事がないリアムは、どう声を掛けたら良いか分からず、特に慌ててもない彼に声を投げる
中学生
「…何だあんた」
リアム
「俺はリアム…リアム·ランベールだ。これでも守護官してる!」
守護官と聞くと中学生は僅かに反応してリアムを、じっと見詰める。
中学生
「今更…何の用だ」
だが、反応したのはほんの一瞬で次には声に怒気を含ませリアムを鋭く睨みつける
リアム
「何で…自殺なんかしようとしてんだ」
中学生
「は…何で?俺は…散々お前等、守護官に助け求めてただろ…」
その言葉をリアムは不思議に思う。そんな話を1度も聞いた事が無いからだ。
それが彼にも伝わったのか小さく鼻で笑う
中学生
「はっ…人を助けるとか守るとかどの口が言ってんだよ、何が守護官だ。俺の助けも知らない…どーせ、嘘だとでも思って聞く耳持ってなかったんだろ!」
リアム
「ま、待てっ…それは、すまない。…けど、今度は聞く!だから…俺に教えてくれねぇか」
中学生
「もう遅せぇよ」
少年の瞳が諦めた色に変わりリアムから視線を外して完全に背中を向ける。
リアムが慌てて声をかけようとした瞬間…
─バンッ
レティシア
「あ゙ー…疲れた…」
リアム
「遅せぇよ…!」
レティシア
「うっせ。…おい、どうせ死ぬんなら…あんたの話でもしてから落ちたらどうだ」
肩を上下に揺らして現れたレティシアの言葉にリアムは慌てる。
リアム
「おい、死なせたら駄目だろ…!」
レティシア
「…散々、助けを求めても応えてもらえなかった。だから、死ぬ覚悟を決めた…そんな強い覚悟持ってる奴を私等ごときが止められると思うか?」
リアム
「けど…っ」
中学生
「…………、………俺……虐められてんだ」
レティシアの言葉で本当に彼が落ちてしまわないか心配なリアムが彼女へ苦情を入れていると、黙っていた中学生が振り向かずに声を吐き出す。
それを聞いた2人は、じっと彼の背中を見詰めた