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Smile Bouquet

第10章 他を守る者へ




レティシア
「どうだ、可愛いだろ」

リアム
「いや、まぁ……でもやっぱ、今の方が笑い方が自然だな。……時々悪いけど」

レティシア
「悪いって何だ、悪いって。いつでも素直な笑顔だろ」

ノア
「それは無いよ、姫さん。悪い事考えてる時とか意地悪な時すっげー悪い笑い方してるよ」

レティシア
「そうか?」

ノア
「そんな笑顔も可愛いけどね」



任務が一段落した午後にレティシアとリアム、ノアの3人はコーヒーを飲みながら、ユリスの所持品だったロケットペンダントを覗いていた。

初めて見る笑える様になって間も無いレティシアの幼い姿にそんな感想をリアムが零すと2人が口々に言葉を発する。
隙があれば軽口を叩くノアの姿にリアムはまだ慣れないが、レティシア本人は慣れているらしく軽く流している


リアムはレティシアを立派に育てたユリスの姿を見て過去の話に出てくる、優秀が故に適当になったという姿がどうも想像が出来なかった。
そこに写るのは暖かい面倒見の良い人にしか見えなかったからだ




─ピピッ




指揮官のパソコンから音が鳴ると全員がそちらを向き、レティシアはソファから立ち上がりパソコンに送られてきた内容を確認する


レティシア
「緊急任務だ。…ソフィア詳細を送った。いつも通り支援宜しく」

ソフィア
「はい…!」


任務は指揮官のパソコンに連絡がきて、それを確認した後に支援部隊に送信する事になっている。
ソフィアはスカイブルーの髪を揺らして頷くと、受け取った任務を確認しタイピング音を響かせる


レティシア
「ルシアンの治療はまだ終わってないのか」

ルシアン
「悪い」


下ろしていた金の髪をレティシアが結い終えた所で吐き出した言葉に、衛生室から出てきたルシアンが謝罪する


レティシア
「たく、怪我してんなよ」

ルシアン
「お前に言われたくない」

レティシア
「私が居ない所で怪我してんなって意味だ」

ルシアン
「庇われる程、俺は弱くない」

ノア
「はーいはいはい、そこまで。…任務優先っしょ?」


言い合いがヒートアップしそうな所でノアが2人の間に入って止めると、溜息を吐き出してレティシアは全員の方へ向く



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