• テキストサイズ

Smile Bouquet

第9章 刻まれた呪い




レティシア
「その痛みを抑える薬をオリヴィアに作ってもらってんだ」

リアム
「そうか…。じゃ結局その呪いの理由は分かんねぇって事か」

レティシア
「嗚呼。あいつを見付けるまでは…分からねぇままだ。だから私は…絶対にあいつを見付ける」


拳を握るレティシアの瞳は強い決意に揺れていた。



リアム
「…さっきの話の中にあった、ユリスさんを殺すよう仕向けたの…って?」

そのリアムの問い掛けにレティシアとルシアンは1度、視線を重ねてからゆっくりとリアムを再び見て


レティシア
「元ネリネ基地指揮官で今はルビーの指揮官長だ」

リアム
「今の指揮官長…俺は接点ねぇけど、2人はあんのか?」

レティシア
「嗚呼。…あの人も変わった」

ルシアン
「…昔は部下に優しくて、昇進とか興味がなくいつでも部下の事を考えてる人だった。俺達も良く世話になった」

レティシア
「本当にな」


リアムは自分が通っていた時はシンメの校長が代わる前だった為、現ルビー基地の指揮官長を知らない。
だが、その人を知っている2人の会話を聞いて苦虫を噛み潰したような顔をする


レティシア
「あんまり気を落とすなよ」

リアム
「え?」

レティシア
「顔。暗くなってんぞ。…おら、笑え」

リアム
「いででででで…!」

レティシア
「ふっ…面白い顔だな」


レティシアがリアムの両頬を引っ張ると彼の顔が横に伸び、それを見ていたレティシアとルシアンは肩を揺らして笑う。
その様子を見たリアムは、不思議と笑いが込み上げてきて


リアム
「痛てぇよ」

レティシア
「あー…面白かった」


リアムが軽くレティシアの手を叩くと彼女は、その手を離した。


レティシア
「私達も、もう25と31か…」

ルシアン
「5年経ったな」


少し寂しげに話す2人は、顔を見合わせて小さく笑を零した






それから、ノアが買ってきた昼食を皆で食べた。




リアムはレティシアとルシアンの過去を聞いて、衝撃を受けたものの…フォンテーヌ家を出て強い意志を持つレティシアと、それを支えるルシアンの2人はとても格好良く見え、自分も特別室の役に立てるように今よりも頑張ろうと思うのだった



/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp