第5章 注意
「……おい。」
「はい?」
「…これから話すこと、よく聞いておけよ」
「…はい。」
「……………」
「…………」
「………」
「……………」
「……………あの?」
「…疲れた。」
「…はぁ?」
思わず口に出てしまった。
「あ、ご、ごごごごめんなさい‼︎ つい…‼︎」
「…お前、正直だな。別にいいけど。…座って話す。端寄れ。」
「え、ココで⁉︎」
真鈴がいるのは、個室である。
前に書いてなかったが、あまり広くない。
「いいから寄れ。」
有無を言わさない声で言う。
「は、はい……」
真鈴は部屋の入口の端に寄り、座った。
ローも隣に座った。
…狭い。
肩が当たっている。
「…やっぱり狭くないですか? 肩当たってしまっているし…」
「このままでいい。…落ち着く。」
「‼︎ ……は、い」
心臓の鼓動が早くなってきた。
(なんか…ドキドキする……。何故?)
「…いいか? このままでも」
「あ、だ、大丈夫です…」
何気にいい雰囲気だったが、話の内容は甘くはなかった。
「……お前のその、能力のことだが…」