第22章 ☃attention☃ 我慢できねェ…
「…っ」
(もう……そろそろ覚悟決めなきゃ、と思っていたし…)
ドクンドクン、と心臓がうるさく鼓動を打つ。
「……よ」
「あ…?」
「いい……よ…抱いて…」
「⁉︎」
「でもお風呂ではヤダ」
ローは真鈴から少し離れた。
予想外の答えに頭がついていかない。
「いい…のか、本当に」
「うん…」
コクリと頷いた。
「…っ」
ローの心臓は爆破寸前だ。
「……出るぞ」
「キャア⁉︎」
真鈴を肩に担ぎ、風呂場を後にする。
風呂場から出たところで真鈴を下ろした。
「バーっと適当に水分とれ」
「うん…」
真鈴がだいぶ水分を拭き取り終わると、いつの間にかローは服を着て、彼女の隣に立っていた。
ちなみに真鈴はまだタオル姿だ。
「…行くぞ」
「え、待っ…キャアアアアア‼︎」
真鈴をお姫様抱っこし、手には彼女の着替えを持って部屋の外へ出た。
自分の部屋に向かって走り出す。
「ちょ待っ、寒いし船員見てる‼︎」
「気にすんな」
あっという間に自分の部屋に着き、中へ入る。
…その様子を見た船員(1)はというと。
船員(1) 「……今夜はフィーバーだな←。ベポに言っておこう」
…ベポの元へ、事を伝えに行くのだった。
…その頃、肝心の二人は。
「んんっ…‼︎」
寝台に真鈴を寝かせ、その上からローがかぶさり、キスをする。
クチュクチュ、と舌を絡ませ合う音が静かな部屋に響き渡る。
…ローは唇を離した。
「あ…」
真鈴の顔はお風呂の熱のせいか、キスのせいか…ふにゃふにゃになっている。
ローが唇を離すと、悲しそうな、寂しそうな表情を浮かべた。
「本当に……いいんだな?」
「…うん、って言ってるじゃないの…大丈夫」
(怖くない。今目の前にいるのはロー…あの人じゃない。私のことを想ってくれている…ローだ)
見つめ合う二人。
…真鈴は照れくさくなって顔を横にそらした。
「こっち見ろ……」
「っ、」
ローが手で真鈴の顔を正面に戻し、彼女の首元に顔をうずめた。
石鹸のいい香りがローの鼻をくすぐる。
「ロー、首はこそばゆっあ‼︎」
「なるべく優しくするが…覚悟しとけよ…?」
ローは真鈴の首元にキスマークを付け、妖しげな笑みを浮かべながら言った。