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◉拗らせろ初恋◉【ヒロアカ】

第15章 こうやって堕ちていく


「グッモーニンッ!お二人サァン!!」


口笛なんて吹かせてたまるか、耳障りなその声の主に向け捕縛布を放つ
冴えた音を響かせたそれを俺は思い切り締め上げた

「ヒュー!熱烈なご挨拶だなァ!」


「おせーよひざしィ!これからショータの感謝の言葉と金一封だろー?」
既にぐるぐる巻きの白雲が豪快に笑って白い歯を覗かせる


「お前ら、よくも・・!」

「結果オーライなんだろ?早く再現ドラマしてくれよHAHAHA!」

これでもかと腕に力を入れても、二人は楽しそうにゲラゲラと笑った


「絶対イケるってわかってたもんなァ!」

「演習見学の時もずっとショータのこと見てたし!赤くなっちゃって可愛かったよな〜!」

「黙れ・・余計なお世話にも程が・・!」



「お」
「あ」


白雲と山田の視線が俺の背後を凝視する
余計なお世話ありがとう・・、恥ずかしそうに呟いたその姿に俺は慌てて捕縛布を引っ込めた


「白雲くん、山田くん、これお礼に・・
 駅前で買ったの、よかったら食べて」

「物分かりがいいなめぐチャンは!
 オマエも見習えよHAHAHA!」

彼女が二人に差し出したのは綺麗にラッピングされた菓子、デレデレする二人に俺は思い切り舌打ちをした


「めぐチャン改め ”めぐ”!これから一緒にショータを支えていこうな!」

「いつでも相談のるぜYEAH!!!」

二人の勢いにぱちりと彼女の目が丸く開かれると、それが柔らかく細められて


「ふふっ!ありがとう・・っ!」





(か、かあいい・・!)
(これが噂の、とろける笑顔・・!)

頬を染める二人を睨み付け捕縛布を握りしめた俺の手に、彼女の優しい手が触れた


「あのね、相澤くんにはこれ、」

味は自信無いんだけど栄養は考えて作ったの、そう言って彼女が差し出したのは手作りの焼き菓子
にやつきそうになる口を慌てて押さえ下を向いた


「ありがとう・・大事に、食べる」



「WHAT?!相澤にだけ手作りィ!?
 めぐ、オレもそっちがいい〜!」

「めぐ、俺も栄養足りてねェんだ、
 ほら俺の手とおでこも触って・・!」

どさくさに紛れて手を握ろうとした白雲の腹を一発殴ると、彼女はまたその目を丸くした


「触んな!つか下の名前で呼ぶな!」

「「キャー早速カレシ面!!」」
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