第2章 どうして分かってくれないんですか。
ピピピ…ッ!(アラーム音が鳴る)
『ん……んぅ…?』
寝惚けながら音の鳴る方へ手を伸ばす
地味に頭に響くアラーム音が私は苦手。
『(いつもはアラーム音鳴る前に起きるはずなのに…。
今日に限ってどうして…。)』
ガサゴソとスマホを手探りで探す。が、
中々見つからない。手に当たらない。
ガチャ…(扉が開く音)
黒尾『あ、起きた?』
おはよう。と言いながら私に近づいて
頭を撫でた。
『お、はよう…。ねぇ…。』
黒尾『アラーム音ね、今止めるから待って。』
私の頭を撫でながら
いつまでも鳴ってるアラームを止めてくれた。
『んぅ、ありがとう…。』
撫でられてる頭が心地好くて
つい黒尾さんの手を掴んで頬に近づけた。
黒尾『おー?
そんなに気持ち良かった?』
『んー…きもちぃ…』チュ
頬によせてた黒尾さんの手に
甘えるようにキスする。
黒尾『っ、お前なぁ…。朝からなにして…!』
『なぁに…?』
黒尾『おまっ!(こいつ、まだ寝惚けてるせいで
目が甘えたような感じに…っ!)』
ほぼ誘ってるようにしかみえないくらい
甘えた表情をする 。
黒尾『っ、ほら。
そろそろ起きないと遅刻するぞ。』
『ちこく…? あ、お仕事…!?』
"遅刻"というワードが出たおかげで
の眠気は一気に吹っ飛んでいった。
黒尾『はい、おはよーさん。』
『おはようございますっ!黒尾さん!
ごめんなさいっ、寝坊しました!!』
黒尾『大丈夫だって、まだ1時間余裕あっから。』
『え…?』
ほら、とスマホの画面を見せられて
時間を確認すると 7:15
出勤の時間は9:50まで。
電車の時間が8:45
『あ、はぁぁ。
全然余裕あったぁ…。』
ふぅぅ。と息をついて
安堵した。
黒尾『起こしに来といて正解だったな。』
『助かりました。』
着替えたらリビングに来るように黒尾さんに言われ、
余裕があることに安心した私はゆっくり着替えてから
リビングに向かった。
時刻は7:28