第1章 こんなに緩くて大丈夫ですか?
〜〜...♪*゚(着信音)
ピッ…!(電話を受ける)
――大阪府、大阪府……
『お電話ありがとうございます。
音駒コールセンター、 清水が承ります。
本日はどのような御用件でしょうか?』
[あのですね、少し教えて欲しいことがあってね?
ここの宅配を送るときのやり方なんだけど…]
『かしこまりました。宅配便は本日お届けのご予定でございますか?』
[そうなの、けどこのネット?とかでどうやって贈ればいいのか分からなくて……]
『左様でございましたか。大変ご不安な思いをさせてしまいまして申し訳ございません。
よろしければ、私が今から説明致しますので、ご一緒に操作をしていただけませんか?』
[本当?一緒にやってくれるの?]
『はい、お時間少々いただいてしまうのですが
大丈夫でしょうか?』
[時間なら大丈夫よ! 一緒にやってもらえるなら心強いわ!]
『大変恐縮でございます。では、ご案内させていただきます。』
[お願いします。]
カチカチとパソコンで操作方法をゆっくりと
説明していく。
『ご案内は以上となります。ご不明な点などはございませんでしたか?』
[ないわ!
こんなに時間を掛けてもらって、ありがとう。
本当にありがとう。これで贈れるわ!]
『お褒めのお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
お客様のご不安なお気持ちを無くすことができ、嬉しく思います。』
[また困ったら、ここに連絡していいかしら?]
『えぇ、またお困りの際はいつでも音駒コールセンターへ。
お電話をお掛けくださいませ。』
[ありがとう!]
『本日は清水がご案内をさせていただきました。
失礼致します。』
―――ツーツー…。(切電)
『ふぅ、ネット注文の説明は長いんだよね。』