第12章 happiness
数年後……
日本一の歓楽街
今夜はどこもかしこも、あるNO.1ホストのバースデー広告や装飾でいっぱいだった。
そのホストクラブでは、大量のシャンパンタワーとたくさんの客たちで賑わい、盛大なバースデーソングまで歌われお祭り騒ぎとなっていた。
「いやぁ~!毎年思いますけど、やっぱヤマトさんのバースデーは圧倒的だなぁ。マジで憧れるっすよ!俺も早く追いつけるよう頑張ります!」
「……ふっ……どうかな。
実際届いてみると、羨ましがるような幸せじゃなかったりするよ。
手に入らない頃の方がなんでも輝いてて、追いかけてる時の方が幸福だったりするんだ…」
「???ヤマトさんほどの人でも、そんなふうに思うんですか?」
「当たり前だろ?キミ、僕をなんだと思って」
「だってあの伝説の龍也さんやレオナさんに届くレベルの凄さだってもう有名人じゃないですか!今やヤマトさんが現役の伝説ですよ!」
「……僕は……まだ2人を追いかけてるよ。
本当の幸福を探して。」
「そういえば伝説のお二人は今頃どこで何してるんでしょうね?
突然この街から消えちゃった話は有名ですよね」
「あの人たちもきっと、いろんな幸せの形を追いかけている最中なんじゃないかな…」
「最近、子供を連れてたってウワサを聞きましたよ!
結婚したのかなぁ。びっくりっすよね。培ってきたもの全部捨てるなんて勿体ない!」
「……どうか幸せであってほしいなぁ……
僕が追いつけないくらいにさ。
僕の永遠の憧れとして永遠に輝いていてほしいから…」
僕の中であの二人の輝かしい姿は、未だあの頃のまま止まってる。
でも今になって思い返すと、実際彼ら自身はたくさんの苦しみの中にいたかもしれない。
でも決して彼らが例外なわけじゃない。
誰もがこの世のどこかで、心の中では泣いている。
生きることは、闘うことだからだ。
苦痛の伴わない闘いは、無い。