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【ハイキュー】初恋【岩泉一】

第4章 初恋の再来


ただ、突然「もう来ないでください」だなんて

勘違いもいいところだし、

というか私にそんな権利はないし、

筋違いもはなはだしい。





じゃあ私がバイトを辞める?



だなんて一瞬思ったりもしたけど

いや、ここはものすごく居心地がいいから

それはできないな。って




一瞬で脚下。





で、思いついた方法が





「今日もありがとうございました!」





お会計を済ませた岩泉先輩に声をかける。





「おう。ごちそうさま。

じゃあ、バイト頑張って」





その一言だけで、胸がギュッとなる



うん、これ以上はもうダメ





「ありがとうございます!

あの、すみません。これ」





事前に書いて

エプロンのポケットに忍ばせておいた連絡先



そのメモ用紙をそっと差し出す。





「ん?」





不思議そうな岩泉先輩





「すみません!勝手なこと言うんですけど、

これ受け取って、処分してもらえませんか?」





連絡先を渡すということは、

少しは私の好意に気づいてくれないかな、って。



そして、面倒だからもう来るのはやめようって

そう思ってくれないかな、って。




そうしたら、私の初恋は初恋のまま


キレイな思い出のまま、私の中に残る。





「あ、うん。………え?

………とりあえずもらうわ」





私の意味不明な言動に、首を傾げられる。


すみません。



だけど、私のお願い通りメモ用紙を受け取ってくれて





「じゃあな」



「はい!ありがとうございました!」





いつも通り、笑顔で見送る。






………はぁ



思わずため息





でもでもだって


今日で最後の岩泉先輩かと思うと。



そう決めたのは私自身なのに、

やっぱり少しだけ苦しいなぁ。なんて。





でも、いけない いけない。


まだバイト中




今あったことは、今で忘れよ。


岩泉先輩には、キレイな思い出だけでいてもらわなきゃいけない。
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