第7章 【魔法薬学での発見】
新学期最初の授業から空き授業だったクリスは、早速図書館に行って本を借りることにした。
先ほどマクゴナガル先生と話したとおり、これからは勉学の殆どを独学で学ばなくてはならない。
夏休みの間チャーリーに教えてもらったことを参考に、まずは教科書に沿った勉強から始めようと、クリスは図書館にあった古い教科書を片っ端から借りた。
苦労しながらそれらを抱えて談話室に戻ると、同じく空き時間だったハリーとロンが予習もせずに気楽に遊んでいた。
「遊んでいて良いのか?この後はスネイプの『闇の魔術に対する防衛術』だろう?」
「良いの、良いの。どうせ何やったって嫌味言われて終わるんだから」
「うわ~……クリス、その本全部読むの?」
「お2人さんと違って、実技は完全に独学だからな」
スネイプの意地悪な授業を受けなくて済むのは良いが、流石に実技の殆どを独学というのは辛い。
だが諦めるわけには行かない。テーブルの上にドサッと本を置くと、クリスは早速分厚い本の表紙を開いて、黙々と読み始めた。
こうしていると、ホグワーツ入学前のことを思い出す。あの頃はドラコ以外友達がおらず、1日の大半を本を読んで過ごしていた。
懐かしいサンクチュアリの屋敷での日々。あの頃は、まさかこんな人生を歩むことになろうとは夢にも思っていなかった。
もちろん、自分の選択に後悔はない。だがどうしても込み上げてくる寂しさを、クリスは本に集中することで紛らわせた。
2時間目は『マグル学』の授業だった。5年生までは主にマグルの歴史や文化、習慣について学んだが、今年からは待ちに待った科学について学んだ。
知れば知るほどマグルの科学は素晴らしいもので、授業が終わってもクリスの頬は緩みっぱなしだった。
その次は、2限続きで『魔法薬学』の授業が待っていた。
クリスはハリー、ロン、ハーマイオニーと合流すると、4人揃って地下牢の教室に向かった。
教室の目の前まで来ると、既に見知った顔が揃っていた。その中に、クリスはドラコの姿を発見した。