第7章 Sketch2 --漆黒
結局その夜も、諦めと絶望の手前に彼女は居た。
大人の、ある時は複数の相手に対し、ミーシャはいつも一人だった。
孤独は尚更に人から正常な思考を奪うもの。
ミーシャが苦悶の表情を浮かべ、ベッドの中で身動ぎをする。
そしたら私はまた捕まって。
あの忌まわしい快楽に振り回されて。
「もう、やめて………」
彼女の頬をぼろぼろと涙が伝った。
自分にのしかかって来る体は重く、彼女は朦朧とした意識の中でそれを受け止めていた。
結局、抗えない。
汗ばんだ男の肌から、熱い胸板から、肩から、硬い腕から、その息遣いから、やすりのような指の腹から、投げやりな愛撫から、囁く声から、割り入る腰から、彼らの雄から。