第5章 Sketch2 --苦悩
お兄ちゃんはきっと、私の事を嫌いなんだ。
だけどあれは……ただの嫌がらせだったんだろうか。
その時にミーシャが大声を出さないよう、彼はクッションで彼女の顔を塞ぎ、軽薄な声で呟いた。
『ミーシャは他と違う、良い子だ。 だからこれはお前へのご褒美』
それから毎日。
実際に触れられているのかと錯覚する、現実味のある夢。
ついひと月前までは知らなかったみだらな行為の数々。
そしてミーシャがなによりも耐え難いのは、あんなもので恍惚と快感を貪っている自身の姿だった。
最近はその内容もどんどんエスカレートしている。
こんな事が、いつまで続くんだろう?
不安と恐怖でミーシャの胸は潰れそうだった。