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SketchBook【R18】

第1章 Sketch1 ---Storigoi



「ちょっとォ! さっきまたアンタの仲間にやられたんだけど!!」


スマートフォンの着信を押すと、そんな不快でけたたましい声が、私の狭い寝床に反響します。

それを予想出来るにも関わらず、私はつい、いつも彼女に反応してしまうのです。


「……また、貴女ですか。 何度も言いますが、蚊ってのは私の仲間じゃありませんし、貴女がどうやられようが、こちらには関係の無い事です」


暗闇に光る画面の左上を見ると午前三時。
丑三つ時とはいうけれど、夜更かしは肌に悪いので私は早めに就寝するタイプです。


「いいから! 来て。 明日も会社でこっちは寝れないんだから!!」

「どちらにしろ寝れませんよ」


私の話も聞かずに、一方的にブツっと電話は切れてしまいました。


「やれやれ……とんだビッチですね」


私は思わず汚い呪いの言葉を呟いていました。

真夜中に突然人を呼び出すなんて、こんな我儘が許されるのは人でいう、父親か母親を呼ぶ幼子位のものじゃないでしょうか。



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