第19章 Sketch6 --双龍の嫁
満足げな様子で微笑み、わたしの濡れた瞼に唇を押し付けてきた夫はむしろ先ほどよりも生気に満ちています。
元々の造りの良さに、はなやかな彩が加わったとでもいいましょうか。
男性ながらに、その鮮烈といってもよい美貌に終わったあとの熱も覚めやらないまま、わたしはついぼうっと見とれてしまいました。
「沙耶、次は私とだぞ」
そんなわたしの背を手のひらで寄せて胸に受け取めた風龍が、余裕のない動作でわたしの上半身を支え、自らの羽織を敷いた床に横たえようとしました。
「少しは休ませてあげなさい。 まだ辛そうだ。 沙耶はこれは初めての経験だったのだし」
「その体を欲のままに私の前で貪っていたのは誰だろうな?」
そう風龍が言うと、水龍は黙ってしまいました。
それと同時に、ふくらはぎの辺りをつかんで高く抱えあげられたわたしの片足との間に腰を割って入ってきます。
横を向いた、でも後ろからの体位のようです。
「あ、ああ………」
わたしの首の下から伸びた手が乳房を包んで支え、首元に夫が口を付けました。
いつもよりも呼吸が荒く、風龍は興奮しているように見受けられました。
早々にわたしの蜜口に押し当てられた滾りが、そのぬめりを自身になじませます。
────ずぷっ…!!
「ああッあぁっ……ひあんっ!!」
そうした何度かの秘唇への接触のあとに、剛直が一気にわたしを貫いてきました。
そんな彼の様子からは以前とは違い、焦らされたあげくにお気に入りの玩具をとうとう手にした時のような、そんなたぐいの余裕のなさを感じました。
「ああッん…ああぁあ…っあっあっあっ!あぁん…ひあぁん! ハアっあぁっ!」
まだ後ろは満たされた悦びに浸っていました───────……夫たちの精はわたしの外に出されるのはほんの僅かで、あとはほぼわたしの体内に吸い込まれていきます。
その際に放出された熱量のようなものが、体を駆け巡るように四肢へ向かいじっくりと沁みていくのですが、水龍との交わりでまだその感覚が残っていた最中でした。
「…んンくっ、あやァあっ…ぁあっいやッ…だめだめあぁっ」
ずっ…ズチュっ…
そんな中での、じくじくと痛みにも似た余韻を無視して、亀頭の先端が更なる結合を催促するように繰り返し突き上げて奥底にぶつけられますが、わたしのそこはまだそれを拒んでいました。