第67章 後悔 ❇︎
「これ…これでして?欲しいの。」
泰葉の欲が急かしているのか、陰茎を触る手が蠢いている。
正直泰葉のこんな姿を見てしまって、どうにかなりそうだった。
それでも平常を装えたのは、呼吸で制御していたから。
杏「くっ…分かった、分かったから…そんな風に触れないでくれ。」
今は泰葉の症状を発散させたい。
だから自分のことは二の次だと思っていた杏寿郎。
それをこんなふうに触られたら堪ったものではない。
「早く…ここに…挿れて、欲しい…」
涙目で懇願する泰葉に、耐えられるはずもなく。
寧ろ、自分でなければこうしてやることもできないのだと、開き直っている自分がいた。
杏「では、少し待ってくれ。」
杏寿郎は泰葉を畳へと降ろし、自分の袴を脱ぎ始めた。
上の道着も脱ぎ、褌を解いていると、泰葉がぐんと手を引く。
何だと思い、杏寿郎が畳に膝をつくと泰葉は杏寿郎の胸元を力いっぱい押した。
杏「ど、どうした。まだ全てを取り払っていない。もう少し待ってくれ…!」
そんな言葉は聞こえているのか、いないのか。
杏寿郎が従い仰向けになると、すかさず泰葉は杏寿郎に跨った。
「あ…はや、く…早く…」
杏寿郎を待ってられぬのか、あろうことか泰葉が聳り立つ陰茎を右手で掴み、自分の蜜口へと誘い込もうとしている。
杏「待て…、痛むかもしれん!ゆっくり…!!」
杏寿郎は解していない泰葉の蜜口が心配だった。
「はぁっ、んん…ああっ!!」
それでも待ちきれないと、急ぐ泰葉はまぁまぁな勢いのまま、ググッと腰を下ろしナカヘと押し込めていく。
ナカはいつも以上に熱を込めていた。
これでは泰葉もさぞ辛いだろうと、杏寿郎は同情からか、快感からか…眉を顰めた。
「んん、あんっ、はっ」
挿入されたと同時に激しく腰を上下させる泰葉。
薬とはこんなにさせてしまうのか…。
恥じらういつもの泰葉はここにはいない。
それが悲しくもあり、しかし、快感には変わらなく、杏寿郎の二股の立派な眉が複雑に動いた。