第45章 喰らえ
しのぶが無惨の逃亡を阻止しようとした時、無惨の体が肉体を陽の光から守るために、全身を膨張させ巨大な赤ん坊のようになった。
「!!!!!」
「炭治郎くんっ!!」
蜜「だめ、行かないで!!!!」
炭治郎は刀を離さなかったため、そのまま取り込まれていってしまう。
泰葉と蜜璃は慌てて炭治郎を引き出そうとするが、膨張が早くあっという間に見えなくなってしまった。
そのまま無惨は這うようにして日陰を目指す。
——恋の呼吸 伍ノ型 揺らめく恋情・乱れ爪——
——霞の呼吸 陸ノ型 月の霞消——
蜜璃と無一郎が攻撃するも、大きすぎるため致命傷とはならない。
すると、建物から沢山の大きな本棚などが落とされ、車が突っ込み、電車の車体が無惨の前に倒された。
輝利哉の指示で隠や隊士達が力を合わせ、無惨の足止めを図る。
ついに太陽が完全に昇り、無惨の体を灼きつける。
無惨は最後の悪あがきでズモモモ…と地面に潜ろうとした。
行「させぬ!!!」
行冥の鎖が無惨の頸に巻きつき、それを行冥や隊士たちで全力で引く。
——水の呼吸 拾ノ型 生生流転——
——風の呼吸 玖ノ型 韋駄天台風——
杏寿郎は限界を超えた力を振り絞る。
——炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄——
炎の渦が一際大きく上がり、身動きが取れなくなった無惨の身体に炭治郎の赫刀が身体の中で致命傷を与えていた。
『ア゛ア゛…ア゛ァァ!!!!』
そして、待ち望んでいた朝日が昇り、無惨の体が日光に灼かれ、塵となり消えていった。
鬼舞辻無惨
完全に消滅。
長い長い戦いに終止符が打たれた。