第3章 閉じ込めて、愛したい。
ここは××××世紀、妖怪国。
我が国は遥か昔、本家軍と元祖軍で土地や資源を巡り争ってきた。
だが数年前、長く続いていた争いに終止符を打たれた。
結果は本家軍の圧勝。初めは元祖軍が勝利への道を辿っていたが、とある妖怪が裏切ったことにより形勢は逆転してしまったらしい。
私は元祖軍側の小さな小さな村に住んでいた。
その村は田舎であったため、古くからの伝統を重んじられていた。
その伝統は実に数百ともあり、
小さい頃は覚えるのが大変だったのを
記憶している。
多くある伝統の中で
何かこの村に災いが訪れたとき、
全ての元凶は呪女にある。
というものがある。
近年は大凶作が続き、私はもともと体が
弱く、青白かったのもあって、呪女として
村の人々から忌み嫌われるようになった。