第51章 一途な総長は大人な彼女と幸せな愛に溺れて(❤︎)
「そろそろお昼ですね。どこかに座ってお弁当でも食べましょうか」
「カノ、向こうのテーブル空いてる」
二人分の椅子が置かれたテーブルが空いており、そこで昼食を取る事にした。周囲には芝生にレジャーシートを敷いてお弁当を食べている家族連れが多く見られる。
「あまり多くは作れなかったので、もし足りなかったら追加で何か買いましょう」
「作るの大変だったろ。オレの為にありがとな」
「全然大変じゃないですよ。好きな人が私の作ったお弁当で喜んでくれる姿を想像したら楽しかったので」
「作ってる間もオレのこと考えてくれてたんだ?」
マイキーが緩みきった顔でニヤニヤしながらこちらを見る。
「…何ですかそのニヤケ顔は。」
「んー?相変わらずオレのことで頭いっぱいで嬉しいって思ったんだよ」
「しょうがないじゃないですか。好きな人のことはいつでも考えていたいんです」
「!」
視線を横に逸らしながら照れた顔で言えば、マイキーは微かに目を丸くさせた後、愛おしそうな眼差しで微笑みを浮かべる。
「オレは朝から晩までずっとカノのことで頭がいっぱいだけどな。カノのこと考えねぇ日なんてねーかも」
「それは…嬉しいです」
頬を紅く染めた顔で嬉しそうな顔をする。
「な、早く見せて!」
「期待するような完成度じゃないですよ」
お弁当箱を取り出し、パカッと蓋を開ける。そこにはタコさんウィンナーやミニハンバーグ、ナポリタンにエビフライ、手を汚さずに食べられるようにラップで包んだおにぎりとウサギの形を象った林檎が綺麗に並べられており、見た目はまさにマイキーの好きなお子様ランチのメニューに似ていた。
「ど…どうでしょう?」
「すっ…げぇ!これマジで全部カノの手作り!?もう店に出せるレベルじゃん!しかもハンバーグに旗付いてる!」
最初はあまりの完成度に言葉を失ったものの、とてもお気に召したのか、マイキーは目をキラキラと輝かせて盛大に喜んだ。
「(万次郎くんのこういう顔が見たかったんだよな。ふふ、頑張って良かった。)」
その反応を見たカノトは"喜んでもらえた"と安堵の表情を浮かべ、胸を撫で下ろす。
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