第47章 12年後に死んでしまう君へ
「アッくん!!?」
「どうした?諦めの悪さだけがオマエの取り柄だろ?」
「"オレがいる限り東卍は負けねぇ"…か!」
「!」
「テメェじゃ力不足だ!馬鹿野郎」
「ぺーやん君!」
「力不足だけどさ、響いたよ」
「寝てらんねぇってよ」
「元気もらったぜ!!!!」
「みんな…」
カノトも反対側の肩を支える。
「東卍って素敵なチームだよね。マイキーくんが大事にするのも分かる。これなら絶対に天竺なんかに負けない。必ず勝てる。だから頑張ろう」
「カノト…」
「タケミっち、場地さんの後を継いでくれたのがオマエでよかった」
「千冬……っ」
タケミチの目に涙が浮かぶ。
「稀咲。オレは場地さんを殺ったテメェをぶっ殺してやりてぇ!でもっ、こりゃあガキの喧嘩だ、殺し合いじゃねぇんだよ」
千冬は眉を顰め、稀咲を力強く睨む。
「オレらはただかっこつけてぇから意地はって見栄はって、力のやり場わかんねぇからぶつかって拳一個で戦ってんだよ!信じた物の為に!!背負った物の為に!!!」
カノトも稀咲をじっと睨んでいる。
「で!?ボロ雑巾が立ち上がってどう御託を並べたってよぉ、負けんのには変わりねぇぞ!?このまま東卍が消えてもいいのか?"タケミっち"」
「そのあだ名で気安く呼ぶな」
千冬の言葉には一切耳を貸さず、横柄な態度で見下す稀咲。
「めんどくせぇ連中だな。しょうがねぇから折れてやるよ」
「("折れてやる"って…何様のつもりなの。面倒臭いのは君のその往生際の悪さだよ…!)」
「和解だ」
「!!」
「東卍と天竺の合併!!どっちが上か下かはナシ!チーム名は東京卍會!!マイキーが総長でいい!」
「(ふざけんな…天竺と合併なんて冗談じゃない。君は運命を狂わせて壊したんだ。これ以上、君の思い通りにさせてたまるか…!)」
「どうだ!?悪くねぇ提案だろ!?」
「(相変わらず腐ってる。…もうダメ、一発ぶん殴らないと気が済まない。)」
自分勝手な稀咲に流石のカノトも我慢の限界に達し、その偉そうな口を殴って閉じさせようと足を踏み出した時、側から離れたタケミチが稀咲の顔を渾身の力で殴り飛ばした。
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