第47章 12年後に死んでしまう君へ
「あン?」
「テメェなに溜息ついてんだ!?」
「オレらの話ちゃんと聞いてンのか!?」
「そんなに喚かないで下さいよ。ちゃんと聞いてるから溜息を吐いたんです」
「どういう意味だよ?」
「要するに僕を僻んでるんでしょう?」
「は?」
「先程も言いましたが、貴方達が僕の顔を見て腹が立つと思うのは、少なからず貴方達が僕をイケメンだと思っているからです」
「誰がテメェのことなんか…」
「ああそれとも…女の子にモテる僕が羨ましいんですか?」
明らかに挑発しているカノトのニヤリ顔に男達はピキッと頬に怒りマークを浮かべた。
「はぁぁん!!?誰が羨ましいって!?」
「女にモテる人生だけがハッピーエンドだと思うなよ!!この腐れリア充が…!!」
「どんだけ自分をイケメンだと過大評価してんだ!!別にモテなくても人並みに生きていけんだよ!!」
キレた男達からのブーイングの嵐が飛ぶ。
「ほんっと腹立つなコイツ!」
「女顔のクセに!」
「だから勝ち組は嫌いなんだ!!」
「すみません。モテない男の気持ちが分からなくて。僕、モテない事ないんで。」
「あぁん!?テメェみたいなクソ野郎にオレ
らの気持ちなんか理解されたくねーわッ!!」
「つか笑って言う事じゃねぇだろ!!」
「ぜってーバカにしてンな!?」
「もういい!!テメェをぶっ飛ばす!!」
「その顔ぐっちゃぐちゃに歪めてやるよ!!」
「覚悟しやがれ…!!」
「(挑発するのはこのくらいでいいか…。)」
男達は一斉に走り出し、その内の一人が拳を振り上げる。その動きを冷静に見つめていたカノトは振り下ろされたパンチを躱し、男が体勢を崩した所に、顎下に蹴りをお見舞いした。
ゴッ!!
蹴られた男は宙を舞い、綺麗な弧を描くように背中からドサッと地面に叩きつけられた。
「…な、なんだコイツ!?一蹴りで沈めた!?」
「チビのクセしてやるじゃねぇかよ」
「けど…次は簡単に仕留めらんねーぞ!!」
二人目の男の手がバッと伸びてきて、捕まらないように体を横に逸らして回避した後、今度は男の横顔目掛けて回し蹴りを食らわす。
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