第5章 ミッション失敗…?
「なぁカノ…謝るからオレのこと、嫌いになんないで」
「どうして僕がマイキーくんを嫌いになるんです?むしろ僕が嫌われる方だと思うんですけど」
「何で?オレがオマエを嫌うわけないじゃん」
マイキーはいつものように笑う。
「僕の方こそすみませんでした。嫌な態度とっちゃって…」
「いーよ。オレも悪かったし。こんなオレでも許してくれる?」
「はい」
「もう怒ってない?」
「はい」
「オレのこと、嫌いじゃない?」
「嫌いじゃないですよ」
「ココアも一緒に飲んでくれる?」
「はい」
「仲直りもしてくれる?」
「もちろんです」
マイキーは嬉しそうに手を差し出す。
「ん、仲直りの握手!」
カノトもそれに応え、マイキーの手を握る。するとマイキーがニヤリと笑んだ。
「からのー、ぎゅーっ!」
「!?」
解かれた手が首に回り、マイキーはカノトを抱きしめた。突然の行動に驚いたカノトだがマイキーに抱きしめられていることに気づくと一気に顔を赤らめた。
「ななな何してるんです…っ!!」
「何って、仲直りのハグだけど?」
「今仲直りの握手しましたよね!?」
慌てふためくカノトはマイキーを引き離そうとするがビクともしない。
「離れないでよ」
「ち、近いです…!はな、離れて…!」
こんなに近いとサラシで巻いてても
マイキーくんなら速攻で気づきそう!
「えーヤダ♥」
「ヤダじゃないです!」
「顔真っ赤。オレに抱きしめられんの恥ずかしいの?」
「み、耳元で喋らないでください!」
「耳弱い?息吹きかけていい?」
「ダメです!」
「ふーっ…」
「ひぅっ!?」
マイキーの息が耳の中まで届き、ぞくぞくと身体を震わせる。おかげで変な声まで出てしまった。
「ダメだって言ったのに!何で意地悪するんですか!」
「……………」
「マイキーくん?」
バッとマイキーの肩を押し、強引に引き剥がす。涙を潤ませ、顔を赤くしながら息を吹きかけられた方の耳を片手で押さえ、マイキーに怒るも、本人は片手で顔を覆ったまま、俯いている。
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