第44章 つーかまーえた♪
「にゃー」
すると二人の耳に猫の鳴き声が聞こえ、顔を向けるとそこには一匹の白猫がいた。
「白猫さん!?」
「にゃー」
「どうしてここに!?」
白猫は驚くカノトに歩み寄り、体を擦り付ける。
「もしかして私の匂いを追って来たの…?」
「今言ってた白猫?」
「はい」
白猫を抱き上げて撫でてやれば、気持ちよさそうな声で鳴く。
「ふわふわ…気持ちいい」
「オレの髪の方がふわふわで気持ちいいし!」
「対抗心を燃やさないでください」
「猫だけズリィ!オレの髪も撫でろ!」
白猫に嫉妬したマイキーの我儘に呆れ、しょうがなくピンクゴールドの髪を撫でてやれば、満足そうに笑う。
「にゃあ…」
「ダメ。今はオレが撫でてもらってんの。オマエは後!」
「もう万次郎くん…」
マイキーが嫉妬で怒るも、白猫は首を傾げ、尻尾をゆらゆらと揺らしている。
「ここまで追って来るとか、カノのこと大好きなんだな」
すると白猫はカノトの腕から抜け出し、マイキーの足元に擦り寄る。
「オレにも懐いてくれんの?」
「にゃあ」
「言っとくけどオレの方がカノのこと大好きだからな。これだけは譲らねぇ」
そう言いながら足元の白猫を撫でる。
「猫相手に嫉妬しないでください。白猫さんも困っちゃうじゃないですか」
「こいつ連れて帰んの?」
「はい。兄さんに相談してみます。まぁ飼えないとは言わないと思うので」
マイキーは白猫を見下ろし、笑みを浮かべる。
「良かったな。オレの彼女、めちゃくちゃ優しいからオマエ絶対幸せになれるよ」
「にゃー」
「そろそろ帰ろう。家まで送る。」
「ありがとうございます。おいで白猫さん、一緒におうちに帰ろう」
「にゃあ」
嬉しそうに鳴いた白猫を腕に抱え、マイキーのバイクで家まで送ってもらった…。
その後、マドカにあの時の白猫だと話すと、飼ってもいいと言われ、名前を"キャシー"と名付け、キャシーは宮村家の一員となった。
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